大した処理をしているわけでもないのに、パソコンの動作が重い。
CPUもメモリも、それほどスペックが低いわけでもないのに重い。使い始めの頃は早かったのに。。
と、そんな時は、ハードディスクが遅さの原因になっていることが多いです。
HDDをSSDに交換をすることで、劇的にパソコンの動作が早くなることがあります。
ただし、HDDからSSDへの交換を自分で行う場合は、メーカーの保証対象外となり、メーカーからのサポートは受けられません。何かあっても自己責任となりますので、その点はリスクとして認識しておく必要があります。(当サイトでも責任は負いません)
SSDとは?
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)は、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)と同じくデータを保存する記憶装置です。HDDとSSDはそれぞれ以下の特徴があります。
HDDの特徴
- 安価で大容量
- 大きいファイルの読み書きが得意で、小さい沢山のファイルの読み書きは遅い
- 衝撃に弱い
SSDの特徴
- HDDに比べると容量が小さく高価
- 読み書きの速度がHDDに比べて高速。HDDが苦手な小さい沢山のファイルの読み書きが得意
- 衝撃に比較的強い
- 書き換え寿命(※)が存在する。毎日大量のデータの書き込みを行う用途には向いていない。
(※)SSDでデータを記録する最小単位を「セル」と呼びます。SSDはセルの集合体なわけですが、セルにはデータ書き換えが可能な回数に上限があり、寿命を迎えたセルは使えなくなります。普通の使い方では機械的な故障が比較的多いHDDよりも長寿命だったりしますが、大量のデータを頻繁に書き込む用途(毎日大量のテレビ録画など)ではSSDよりHDDの方が良いでしょう。
SSDの価格と購入の注意点
SSDの価格
読み書きの速度など性能によって価格が変わってきますが、安価なものでは500GBで8,000円前後、1TBで12,000円前後で入手できます。
購入の注意点
SSDにはいくつかの規格とサイズがあります。
HDDからSSDへの切り替えであれば、HDDの規格・サイズと同じSSDを選ぶ必要があります。
ノートパソコンの場合、規格は「SATA(シリアルエーティーエー)」、サイズは2.5インチの構成が多いですが、搭載可能なSSDの規格・サイズを購入前にきちんと確認することをお勧めします。
また、SSDには書き換え寿命が存在します。低価格なものは書き換え寿命が短いものもありますので、あまり低価格なものだと数年で交換が必要になってしまうかもしれません。価格と品質のバランスの取れたものを選びたいですね。
SSD製品の比較はインターネット上に沢山の情報がありますので、ご自分の用途に合った製品を探してください。
HDDからSSDへの切り替え方法
HDDからSSDに交換する際の注意点
ご自分でHDDからSSDへの交換を行った場合、多くの場合はパソコンメーカーの保証対象外になってしまいます。ですので、SSDに交換した後に何かあっても、パソコンメーカーのサポートは受けられません。
SSDへの交換は自己責任となりますので、その点は認識しておく必要があります。
SSDへの交換方法
大きく分けて2つの方法があります。
- OSをインストールしなおす(クリーンインストール)
- HDDのデータをSSDにコピーする
OSをインストールしなおす
アプリケーションは全て再インストールが必要になってしまいますが、SSDへの交換を機に一度すべてをリセットするやり方です。手順としては以下となります。
実施前に、重要なデータは必ずバックアップを取っておきましょう。
また、アプリケーションも全て再インストールとなりデータは受け継がれませんので、データ移行の準備は事前に行っておきましょう。
- Windows10(もしくはWindows11)のインストールメディアを作成する
※Microsoftのサイトからダウンロードできます - 使用中のWindowsのプロダクトIDをメモする
※スタートメニューを右クリックから「システム」で確認できます。 - パソコンをシャットダウンしてHDDとSSDを入れ替える
- 上記1.で作成したインストールメディアを入れてパソコンを起動する
※DVDドライブがブート可能になっている必要があります。 - 案内に従ってWindowsをインストールする
※プロダクトIDに、上記2.でメモしたプロダクトIDを入力する
Windowsの再インストールが無事に終われば、必要なソフトのインストールを行いましょう。
前のパソコンのデータをごっそり移行したい場合は、古いHDDをUSBでパソコンに接続すると楽です。
HDDをUSBでパソコンに接続するのは、SATA-USB変換ケーブルを使います。
各社から色々な製品が出ていますので、自分に合ったものを選んでください。
HDDのデータをSSDにコピーする(クローン)
こちらは今のOSやアプリケーション、データをそのままSSDに引き継ぐ方法です。
OSをリセットしたいという要望がなければ、こちらの方法がオススメです。
こちらの方法も実施前に、重要なデータのバックアップは取っておきましょう。
- 購入したSSDをUSBでパソコンに繋ぎ、HDDのクローンを作る
※まだHDDとSSDの交換はしません。SSDをUSBで繋いでHDDのクローンを作る方法は後述。 - パソコンをシャットダウンし、HDDとSSDを入れ替える
- パソコンを起動する
手順としては、クリーンインストールよりも簡単で手間が少ないです。
何より元のパソコン環境をそのまま継続して使えるメリットは大きいですね。
上記1.のHDDのクローンを作る方法ですが、必要なものが2つあります。
1つ目はSSDをUSBで接続するための、SATA-USB変換ケーブルです。
2つ目はHDDのクローンを作成するソフトで、これはSSDのメーカーが提供しているものやSATA-USB変換ケーブルにバンドルされているもの、単体売りのソフトウェアなど色々あります。
SSDのメーカーが提供しているソフト
SSDのメーカーによっては、その会社のSSDを使う場合に限り無料でクローンソフトを提供している場合があります。大抵はメーカーサイトからのダウンロードです。このソフトの使いやすさもメーカーによって様々ですので、SSDを選ぶ際の選考基準の一つにしても良いかも知れません。
例えば「Western Digital」というメーカーの場合は以下のソフトが提供されています。
単体売りのソフトウェア
色々ありますが、有名なのはHDD革命(Copy Drive)でしょうか。日本の会社が開発しているソフトウェアです。
プロに頼む方法もあるが。。
パソコン自作等をしていた方ならHDDからSSDへの交換は大して難しいものではありませんが、自身の無い方はパソコン修理屋さんなどのプロに頼む方法もあります。
ただし、結構高いです。
相場は工賃で30,000円~40,000円くらい(SSDの購入費用は別)でしょうか。
個人的には、そこまでお金かけるのであれば、パソコンを買い替えた方が良い気がします。
今時は100,000円あれば、最初からSSDを積んだそこそこのパソコンが買えますからね。
最悪壊れてしまっても良いパソコンを、1万円くらいで快適なパソコンに復活できるならやってみたい、という場合に自力でSSDに交換してみるのが良いのかな、と思います。
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